Dropout 退学
「んー。懐かしい」
は勢い良くベッドにダイブした。
ルーピンの言う通り、荷物は女子三年ののベッドの脇に置いてあった。
そのとき、コツコツと窓を叩く音がした。
「あれ?ヘドウィグ?」
は不思議に思いながらも窓を開けた。
「ハリーから?」
は走書きのようなハリーの手紙を広げた。

、僕、退学だよ。
叔母さんの家で魔法を使った。
今、「ナイト・バス」に乗ってる。ダイアゴン横丁に向かって走ってるんだ。
ネビルの名前を使って乗り込んで。
どうしよう、

は一瞬、頭の中が真っ白になった。しかし、気持ちを落ち着かせ、ハリーへの返事を急いで書き始めた。

ハリー、ダイアゴン横丁に着いた?
まだ退学になるって決まったわけじゃないわ。落ち着いて、周りの人に助けてもらって。
あなたが無事なことを祈るわ、ハリー。

「急いでハリーのところに!」
はフクロウを窓の外に押し出した。
また心配事が増えてしまった。
は少し考えた後、ルーピンにこの場合、どうなるのか聞くことにした。
グリフィンドール塔を駆け抜けて、は行き慣れた闇の魔術に対する防衛術の教室をノックした。
「どうしたんだい、?」
ルーピンはニコニコしながらドアを開けた。
「あのね、聞きたいことがあるんだけど――」
がそこまで言うと、ルーピンは眉間にしわを寄せた。
「何か悪い予感がするね、中に入りなさい」
ルーピンはのためにドアを大きく開けた。
「それで、どうしたんだい?」
「もし、今の時期に未成年が魔法を使ったら退学?」
ルーピンは少し感付いたようだ。
「退学になる子も、そうでない子もいる。事が軽ければ警告の手紙が来るだけで終わる」
「あのね――」
ルーピンはの話をさえぎった。
、君は自分のことを心配してくれ。いいかい、君がいろんなことに首を突っ込むたびにブラックが君を殺すチャンスが増えることになるんだ」
は呆気にとられた。ルーピンがこんなにも自分を心配していたとは知らなかった。
「だが、君の場合、我慢できそうにないタイプだと、私は思う」
ルーピンは悪戯っぽく笑った。
「明日か明後日、が行きたいところに行こう。大体のところ、予想はつくよ」
の顔がぱぁっと明るくなった。夏休み初めてハリーと会える。
「ダイアゴン横丁に行きたいわ!」
「では、その通りに」
ルーピンはおどけてお辞儀をしてみせた。
「さて、。夕食はどうしたい?大広間で食べても良いし、私の私室で食べても良いらしいけど」
「ルーピン先生はどの先生が学校にいらっしゃっているのか、ご存じなのですか?」
はふと、ルーピンが先生だと思い出して、片言の丁寧語で返した。すると、ルーピンはそれがツボにはまったのか、クスクスと笑い始めた。
、いいよ、丁寧語なんて。まだ学校は始まっていないから。リーマスのままでいいよ」
「そう?じゃあ、他の先生たちがいる前だけ丁寧にする。それで、知ってる?」が聞いた。
「いや、まだ職員室にも行ってないからね。多分、寮監の先生はいらっしゃっているかな。それと、ハグリッドはいつも通りだし・・・・・そのくらいかな」
「大広間に行ったらどの先生がいるか分かる?」が尋ねた。
「さあ?私室で食事する先生もいらっしゃるからね。でも、ハグリッドは来ると思うよ。会いたいんだろう?」
は元気よく、頷いた。
「そしたら大広間で食事しよう――あ、。その前に着替えようか。一応、私服はね?」
ルーピンはに同意を求めるように言った。そして、と一緒にグリフィンドール塔に向かった。
「あと、十分くらいで夕食だよ。ここで待っているから」
ルーピンは談話室に入るに向かって言った。
数分後、談話室から出てきたはいつものグリフィンドール生のネクタイをしめていた。
「懐かしいな」
「え?」
ルーピンがポロッとこぼした言葉に、は素早く反応した。
「リーマス、グリフィンドール生だったの?」
「一応、ね」
ルーピンはこの話にはあまり乗り気ではないような返事をした。はそれを察して黙りこんだ。

「さあ、、どこに座る?」
ルーピンに連れられて到着した大広間は長机が一列に並ぶだけで、広く感じた。
「他の先生は?」
「まだ到着してねぇだけだ」
ルーピンの声ではない声が聞こえたので、はいきおいよく振り返った。
「ハグリッド!」
「よぉ、。元気だったか?」
ハグリッドはわしゃわしゃと、の髪の毛をぐしゃぐしゃにした。
「元気よ」
はハグリッドにぐしゃぐしゃにされた髪を撫でつけた。
「そうか、吸魂鬼のあたりで事故があって倒れたって聞いたんだが」
はチラリとルーピンを振り返った。
「ハグリッド、この子はもう大丈夫だよ。確かに倒れたけど怪我はないし」
ハグリッドは陽気に「よかった、よかった」と繰り返すと、席についた。
つられてもハグリッドの隣に座った。ルーピンもの隣に座った。
「ほお、約一名生徒が混じっていると思ったが、ブラック、君だったか」
は顔を上げずとも、声の主が誰だかわかった――スネイプだ。
「どこか怪我していないだろうね?」
キンキン声がして顔を上げると、スネイプの後ろにはフリットウィック先生が立っていた。
「あ、はい。大丈夫です」
ちらりとスネイプを見ると、相変わらず不機嫌そうだ。
「それはいいことじゃ」
いつの間にかダンブルドアが席についていた。
フリットウィック先生もスネイプもそれぞれの席についた。また何人かの先生がちらほらと現れた。マクゴナガル先生や、スプラウト先生、フーチ先生、その他、何人か見たこともない先生もいたが、全員に興味津々だったのには変わりなかった。
全員が席につくと、お皿が食べ物であふれかえった。
十分くらいは回りの先生たちの話をちらちらと聞いていた。はっきり言ってあまり理解できなかった。
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先生たちに挟まれてハーレム?笑