Date! 2 デート? 2
午後の授業も無事終わり、は図書館に向かって歩いていた。 ハリーは呪文学の授業前に届いたジニーからの手紙でからかわれるのが嫌でに付き合うのを断った。 ロンは宿題に追われ、ハーマイオニーはそのロンの面倒を見ていた。 もロンと同じく今日はバレンタイン・カードのお陰で宿題をたくさんもらったが、別に急ぐことはないと、思って両親に一通の手紙を送ることにした。 図書館につくと早速は一番奥の机に席をとった。

親愛なるパパ

今、私がこの手紙を書いている時はバレンタイン真っ只中です。
ろくでなしのロックハート先生のお陰で私は惚れ薬入りのチョコレートを食べる羽目になりました。 でも魔法薬学のスネイプ先生が解毒剤を作ってくれたので助かりました。 そこで聞いたのですが、ママが学生時代に誤って惚れ薬入りのチョコレートを食べて騒ぎになり、スネイプ先生が解毒剤を作った、というのは本当ですか? 何故、パパやジェームズ、リリーがいたのに作ったのがスネイプ先生なのですか?
なるべく早い返事を望みます。

・ブラック

は書き終ると何度か見直し、席をたった。 そして、その足でふくろう小屋に向かった。 すると前からマルフォイが歩いてきた。
「やぁ、。偶然にもこんなところで会えるとはね」
マルフォイがいつも通りクラッブとゴイルを引き連れて、言った。
「あら、マルフォイ。最近見かけないから、石にされたのかと思ってたわ」
は素早く杖を握って、いつでも攻撃に備えられるようにした。 もちろんマルフォイを見かけないなんて嘘だ。 魔法薬学の授業で会ったばかりだった。
「君こそ先ほどの惚れ薬入りのチョコレートでどっかの男とベタついているのかと思ったよ。まぁ、君を狙う男なんて山ほどいるからどの男が犯人か、なんて知らないけどな」
マルフォイの顔に薄笑いが浮かんだ。
「自分がバレンタインに何も貰えなかったからってひがまないでよ」
も負けず劣らず言い返した。 マルフォイの顔に笑みがなくなった。
、何回言ったら君は理解出来るのかな。僕は男で君は女だ」
マルフォイはに一歩近づいた。 素早く杖をマルフォイに向けると、はマルフォイをあざ笑った。
「マルフォイ、でもあなたは私より強いとは言えないんじゃないかしら?自分の身くらい私は自分で守れるのよ。あなたみたいに父親が背後にいないと何も出来ない人と違ってね」
マルフォイの顔に怒りが浮かんだ。
、口を慎んだ方がいい」
とマルフォイは杖を構えてにらみあった。 するとマルフォイの背後から誰かが歩いてくる音が聞こえた。 その足音はこちらに足早に近づいてきた。
「ブラック!マルフォイ!」
マクゴナガル先生だった。
「廊下で杖を構えるとは何事ですか!廊下での魔法の使用は禁止されています。グリフィンドールとスリザリンからそれぞれ五点減点です!」
とマルフォイは渋々杖をしまった。
「さぁ、二人とも行きなさい」
マクゴナガル先生はここからいなくなるまで見張るつもりらしかった。 は足早にその場から立ち去り、ふくろう小屋へ急いだ。 ふくろう小屋につくと、すでに先客がいた。
「あ、セドリック」
は小さく呟いたつもりだったが、相手には聞こえていたらしい。
「やあ、。君も手紙を出しにきたのかい?」
コクンとは頷いて、手近にいたフクロウに手紙を託した。
「なんか今日は災難だったらしいね、聞いた話によると・・・・・」
は改めてホグワーツの伝達速度に驚いた。
「惚れ薬入りのチョコレートを食べたんだってね。大丈夫だったの?」
はふくろうに手紙をくくりつけながら言った。
「うん、なんとか大丈夫だったわ。ちゃんと解毒剤を飲んだし」
「それにしたって君はたくさんカードをもらったって聞いたけど」
「えぇ、もらったわ。毎授業中にくるから気が散っちゃって・・・・・お陰で今日は散々だった」
セドリックは同情するような目でを見つめた。
「でも、セドリックだってバレンタイン・カードはたくさんもらったんじゃない?」
が言った。
「否定はしないけど、惚れ薬入りのチョコレートとかはもらってないから・・・・・、疲れてるんだったら寮に帰って早く寝た方が良いよ。あ、もちろん夕食を食べた後でね」
セドリックは何気なくの手を引きながらふくろう小屋をあとにした。
「あ、あの、セドリック、手・・・・・」
は恥ずかしそうに、だけど少し嬉しそうにそう言った。
「あ、ごめん。嫌だったよね」
セドリックは慌てて手を放した。
「べ、別に嫌じゃないけど・・・・・ちょっと驚いただけ」
は周りに誰もいないのを確認すると、自分からセドリックの手を握った。 セドリックは驚いたようにの顔を見ようとしたが、恥ずかしそうに下を向いていたので表情は分からなかった。 しかし、セドリックはから握ってくれた自分の手に少し力を入れて握り返した。
そのまま二人が大広間まで歩いて行くと、もちろんホグワーツの噂になるが、二人ともそんなことは気にもならないように堂々と歩いていった。 しかし、夕食は寮ごとに分かれているので、とセドリックは仕方なく離れた。 が席に座るとグリフィンドール生がワッと集まってきた。
「おい、。君、ディゴリーと付き合ってたのか?」
フレッドが驚いたように聞いた。
「ううん、違うと思う、多分・・・・・」
「その多分ってなんなのよ?」
ラベンダーがうきうきした表情で聞いた。 女の子は恋愛話が大好きなのだ。
「僕、の本命はハリーだと思ってた」
ネビルが口をはさんだ。 そのとたん、食事をしていたハリーが吹き出した。
「ハリー!」
ハーマイオニーがハリーをにらんだ。 するとそのとき、の周りに群がっていた集団をパーシーが注意した。
「君たち!今は食事中だ。それに周りの寮生にも迷惑だろう!さぁ、戻った、戻った」
周りの寮生も迷惑というより興味津々でたちの話を聞いていた。 ジョージはパーシーにそう指摘したが、聞き入れてもらえず、渋々ながら席に戻った。 ハーマイオニーはの周りに人だかりがなくなると言った。
、寮に戻ったら早く寝室に上がった方が良いわ。また質問攻めにされちゃうもの」
「うん、そうする」
はそれだけ言うとやっと夕食を食べ始めた。
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とうとうセドリックとお付き合いでしょうか!?