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クリスマス休暇が終わり、は何事もなかったかのようにホグワーツへ戻った。 少しの間ではあるが、両親たちに会えたとこで、どことなく落ち着きを取り戻せた。
「やぁ、おかえり」
汽車から降りて、そのまま大広間に行くと、すでにハリーとロンが座っていた。
「あれ、ハーマイオニーは?」
「あとで話すよ」
ハリーが回りの目を気にして言った。
「まさか、石になったの?」
の顔が真っ青になった。
「違うよ!ハーマイオニーは元気さ。ただちょっと手違いがあって・・・・・」
ロンはニヤリ笑いを必死にこらえているようだった。
「ふぅん。まぁ、いいわ。あまり突っ込むと厄介みたいだし」
はちらりとハリーを見た。
「ところで、そっちの方はどうだったの?が病気って言ってたけど・・・・・」
「えぇ、大丈夫だったわ、元気だった」
は一瞬何のことを言っているのかわからなかった。 「でも、ママとリリーは危ないことをしているって疑っているみたい」
が肩をすくめた。
「でも、普通は心配するんじゃないのかな?だって、君たち、二人とも継承者だろうって疑われてるんだし・・・・・」 ロンがちょっと控えめに言った。
「えぇ、そうね。心配していたわ、もちろん」
は夕食に手を出し始めた。
「だけど、パパもジェームズも学生時代が自慢にならないような凄まじさだったし、まるで暴れてきても良いって感じだったわ。まぁ、ママとリリーの方はとっても心配しているみたいだったけどね」
「母さんたちは一年生のときから言ってたよ――危険なことに手を突っ込むなってね」
ハリーはの言葉に訂正を加えた。
「まぁ、そうだけど・・・・・そういえば、ロン。あなたのお母様のセーター、暖かかったわ。ありがとうって伝えてね」
「いいよ、伝えておく。ハリー、もうそろそろ良いんじゃないかな。行こうよ」
ロンがハリーを促した。
「行くってどこへ?」
にはチンプンカンプンだった。
「いいから。ついてきて」
ハリーはロンにつられて立ち上がるとの手を引っ張った。 三人がついた先は医務室だった。
「ここにハーマイオニーがいるの?」
が疑り深い眼差しをハリーとロンに向けた。
「ポリジュース薬で、ハーマイオニーはミリセント・ブルストロードになろうとしたんだけど、手に入れたのは猫の毛で、ポリジュース薬に猫の毛を入れてしまったんだ」
「まさか!」
ハリーの言葉をは強く否定した。
「本当だよ。もちろんハーマイオニーは動物の一部を混ぜちゃいけないってこと知ってたさ。だけど、その一部が人間のか、動物のかなんて見分けられないだろ?」
ロンは医務室に足を踏み込めながら言った。
「えぇ、まぁそうだけど・・・・・ハーマイオニーは無事なの?」
「それは本人に聞いた方が正確だよ」
ハリーはベッドの方にスタスタと歩いて行くと、「ハーマイオニー」と声をかけた。
「なに?」
「カーテン、開けてもいい?が帰ってきたんだ」
ハリーがそう言うと、ハーマイオニーは自らカーテンを開けた。
「ハーマイオニー!」
、おかえりなさい」
ハーマイオニーの声は元気そうだったが、顔に毛が生えていて、目は黄色く、耳があればまさしく"猫"だっただろう。
「ハーマイオニー、大丈夫なの?」
「えぇ、もちろん。休暇はどうだった?」
ハーマイオニーはあまり自分のことについて触れたくないようだった。
「まぁまぁよ。それより、魔法薬の成果について私は聞きたいな」
はハーマイオニーから視線をはずし、ハリーとロンを見た。
「結果から言うと成功だよな?」
「あぁ」
ハリーとロンは顔を見合わせてニヤリと笑った。
「僕たち、クラッブとゴイルに化けたんだ。それで、僕たちがマルフォイと一緒にスリザリンの談話室に行ったら、マルフォイが見つけた『日刊予言者新聞』の切り抜きに、ロンのお父さんが定めた『マグル保護法』をマルフォイ氏が非難してる記事が載っていたんだ。それで運良くマグルの話になって、マルフォイは秘密の部屋のことを思い出したみたいでね・・・・・秘密の部屋の継承者の手伝いをしたいって言ったんだ。『いったい誰が継承者なのか僕が知ってたらなぁ』って。知らないから手伝えないみたいだった」
ハリーはロンの言葉を引き継いだ。
「だから、マルフォイは『継承者』じゃなかったんだ。それに、犯人も知らない。だけど、あいつ、もう少し詳しく聞いたら教えてくれたよ。――五十年前に、『秘密の部屋』は一度、開かれたらしい。でも、マルフォイの父親は全てを知っているけれど、息子がそのことを知りすぎていると怪しまれるからといって、マルフォイに何も話してくれないと言ってた。それで、その『秘密の部屋』が開かれた時、マグル生まれの人が誰かひとり死んだ、だから今度も時間の問題だってさ」
「五十年前の話なら、パパも言っていたわ。女の子が死んだって。私も詳しく聞こうと思ったんだけど、詳しくは知らないってスルーされたわ――本当に知らないのかもしれないけど、何か、知っているような感じにも思えたわ」
がハリーの話に口を突っ込んだ。 ハーマイオニーはびっくりしたようにを見た。
「もちろん、私から秘密の部屋の話を強請ったわけじゃない。ただ、パパたちも少しは心配してるから、気をつけろって言いたかったんだと思う」
「うん、それなら分かるよ。クリスマスの日に、僕も母さんから手紙を貰った――吼えメールじゃなかったよ――大体のことを要約すると、危険なことに首を突っ込むなって感じだった」
ハリーが相槌を打ち、またさっきの話の続きを話し始めた。
「それで、マルフォイは僕たちが偽者だとも知らずにうっかりともらしてくれたよ――やつの家の応接間の床下に発見されたらまずいものがあるらしい」
「さっそくパパに言って捜索するように言ったよ。まだ返事は着てないけど、多分、実行されるんじゃないかな」
ハリーとロンはまた二人で顔を見合わせると、ニヤリと笑った。
「まぁ、マルフォイのことはいいわよ。だって彼、継承者じゃないんでしょう?それに、父親もそれについてはあまり協力的じゃない・・・・・それならマルフォイが好き勝手に動けるはずはないわね」
がつぶやくように言った。
「そうだけど、マルフォイだもん、何か臭うよ」 ロンが言った。
「それにしたって継承者は誰なんだろう。マルフォイしかいないと思ったのに・・・・・」
ハリーは悔しそうだ。
「ハーマイオニーは?何か考えあるんじゃないの?」
はふと、ハーマイオニーの存在を思い出して聞いた。
「そうね・・・・・まず、マルフォイが嘘をついている可能性はないわね。だから信じていいと思うわ。だけど、真の継承者の方はまだ何も言えない。情報が少なすぎるもの」
ハーマイオニーはそういって顔をしかめた。
「そうね。情報が少ないわね・・・・・」
は肩をすくめた。
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ハーマイオニーを心配するあまり、真っ青;;