次の日、はジェームズとシリウスとと一緒に聖マンゴ魔法疾患傷害病院へと向かった。
は未だ、一人では歩けない状態で、ここに来るまでも、ジェームズとシリウスが交代で肩を貸していた――ついにははずっとシェームズに抱きかかえられる始末となった。
「もう大丈夫です」
は慰者に付き添われながら病室から出てきた。
もう一人で歩くことが出来る。
シリウスたちは本当に安心した様子で、を抱きしめた。
「但し、あと三日間ほどは様子見をしてください。まだ子供ですので無理をさせないように」
慰者が言った。
「もう歩けるよ!」
はシリウスににっこり笑った。
「だけど、三日間くらいは外に出さないからな」
覚悟しろよ、とばかりにシリウスは笑って、軽くの頭を小突いた。
家に帰ると、リリーも心配だったようで、を抱きしめた。
「もう大丈夫なのね?」
「うん」
は顔を覗き込むリリーに笑って答えた。
「それじゃあ、リリー、僕はまだ仕事途中だから・・・・・いい子にしててね、」
ジェームズはそういってシリウスを見た。
シリウスもジェームズを見て、何が言いたいのか分かったのか軽く頷いた。
「、ハリーに会って来い。彼だって心配しているだろう。多分、自室にいるから」
シリウスは真っ当な理由をつけて追い出そうとした。
しかし、自身もハリーには会いたかったので、反論はせずに、そのまま上へと向かった。
「ハリー、いる?」
はハリーの部屋をノックした。
するとドアがきしみながら開き、中からハリーが出てきた。
「、あの、僕っ・・・・・」
ハリーはに何を言いたいのか、慌てた様子だった。
「ハリー、落ち着いてよ。私、昨日のこと、まだなにがあったのか聞いてないの。だから、お願いだから順序立てて話してよ」
はそういって、そのままハリーの部屋に押し入った。
「うん、わかった・・・・・でも、何から話していいのか」
ハリーはに部屋に押し入られたことを気にする様子もなく、椅子に座った。
はちゃっかりとハリーのベッドに座った。
「じゃあ、なんで私の記憶が途切れているのか、わかる?」
「もちろんさ。あのとき、ドビーが君を失神させたんだ、方法はわからないけど・・・・・で、ドビーは僕にホグワーツに行かないと誓えって。僕が行かなきゃも行かないって思ってたみたいで・・・・・それで、僕は渋ったんだ、そしたらドビーは君を部屋の外に連れだして、ごめん、僕のせいで君が・・・・・犠牲に・・・・・」
ハリーは一晩たったのにも、まだ混乱しているようで、話が続かない。
「ねえ、ハリー、落ち着いて。私、ちゃんと無事だったし・・・・・そういえば、パパたちにはドビーのこと、話したの?」
「ううん、話してない。きっと信じてもらえないと思うし、昨日は父さんたちも君のこと心配してたから、これ以上ややこしくしてもなって・・・・・」
ハリーは今更ながらそれがあまり良いことでないとわかったのかゴニョゴニョっと言い訳を付け足した。
「え、じゃあなんてパパたちに話したの?」
はそれでもつじつまが合うことに驚いた。
「えっと、が階段の近くでいきなり貧血を起こして、そしたらクリーチャーがそれに気付かなかったようで君を蹴って、階段から転げ落とした、って」
はまたもや驚いた。
「クリーチャーが私を付き落とした?」
「うん、これはデタラメじゃない、本当だよ」
の疑いの眼差しを避けるように、ハリーは目をそらした。
「別にハリーを疑ってなんかいないわ。ただ・・・・・驚いただけ」
は混乱する頭でそう言うと、話を整理するように呟いた。
「じゃあ、私が階段下で倒れていたのは、まずドビーがなんらかの方法で私を気絶させて階段前に私を運び、クリーチャーが突然現れて私を付き落とした、って感じでいいの?」
は自分を見ようとしないハリーを無理矢理自分と目を合わせるようにして言った。
「合ってるよ。だけど、君だってそんな突拍子もない話、信じられないだろ?」
ぶっきらぼうにハリーが言った。
「ええ、信じられないわ」
すると、もぶっきらぼうにそう言った。
ハリーは大きく目を見開いた。
「だけど、あなたが私に嘘をつくはずがないと信じてるから、話も信じるわ」
がそう言い切ると、ハリーの顔にも笑顔がやっと広がった。
「ありがとう・・・・・それに、ごめん」
「謝らないで。ハリーは悪くないもん。でもドビーは何故そんなことをわざわざ言いに来たのかしら。もし、ドビーが私たちの味方だとしたら、誰が主人なの?分からないことだらけね」
はため息をつきながら、ハリーのベッドに横になった。
するとそのとき、部屋のドアが開いてシリウスが入ってきた。
「お昼の準備が出来たらか早く下に来なさい」
ハリーもも返事をすると急いで立ち上がり、部屋を出た。
が部屋を出て下に向かおうと走ろうとすると、シリウスの手が伸びてきて、の襟首を掴んで耳元でささやいた。
「あまり男の前で無防備にするな。襲われるぞ」
はシリウスの雰囲気があまりに違うのでびっくりして、振り返った。
すると、いつも通り、大人の顔にイタズラっぽい表情を浮かべてシリウスが立っていた。
「パパ、やめてよ!!」
「心配してるんだ」
そう言うシリウスだが、顔も目も笑っている。
「パパが家の中で一番アブナイおじさんよ!」
はシリウスを睨んだ。
「ジェームズも同じくらいだと思うんだけどな」
すると、シリウスはいきなり真面目な顔になって言った。
「、いいか、学校ではハリーのそばを離れるな。ハリーから聞いたんだが、スリザリンの生徒と何かあったようだな、襲われたくなかったらハリーのそばを離れるな」
は黙って頷いた。
自分だって好き好んで、マルフォイなんかに襲われたくはなかった。
「それにだな、おまえ、どうしてあのときスネイプなんかに助けを――いや、なんでもない。早く下に行きなさい」
シリウスは自分が引き止めたのにも関わらずにそう言った。
はシリウスが何かに焦っているようにも思えた。
ハリーもパパも溺愛中。笑