Final 最後
紅茶をが飲んだのを確認すると、ダンブルドアはみんなが来る前にどうやって「石」を手に入れたのかすべて話すよう、頼んだ。 はダンブルドアの期待に応え、すべての真実を詳しく話した。
、君には驚かされるばかりじゃ」
ダンブルドアはの話が終るとそう言った。
「賢者の石を守ってくれたことに関して、本当に感謝しておる」
「守ったのは私だけじゃありません、先生。あそこまでいけたのはロンのチェスの実力やハーマイオニーの頭の良さ、それにハリーが必死であの人と戦ったおかげです。私は何もしていません」
はそう言ってにっこり笑った。
「人は、時に大きな存在になる・・・・・、あの三人を勇気づけたのは君がいたせいだともわしは思っておるよ・・・・・さて、君の父上たちが到着したようじゃ」
ダンブルドアがそう言ったそのとき、ドアが開いてスネイプ、ジェームズ、シリウスの順番で部屋に入ってきた。
「ああ、、本当に心配したよ」
座っていたをジェームズは椅子ごと抱き締めた。
「ハリーの方が大変なのに」
は照れ隠しなのか、そう呟いた。 するとジェームズは笑いながらを放すと、頭を軽く撫でた。
「さて、セブルス、今回は君にも感謝しなければならん」
ダンブルドアが言った。 スネイプは表情も変えずただ頷いた。 しかし、がチラリと見ると相変わらずの不機嫌な顔でを冷たく見た。
、君は怪我がないようじゃが、一日だけ医務室に泊まるようにとマダム・ポンフリーからの連絡じゃ。一日たてばきっと君たちはヒーロー扱いじゃろう。君たちとクィレル先生との間に起きたことは『秘密』でな。秘密ということはつまり、学校中が知っているというわけじゃ。君の友達や崇拝者たちからの贈り物が医務室の君が泊まるベッドの横にあるじゃろう。さあ、行きなさい。一日ゆっくり眠ると良い。シリウス、ジェームズ、を医務室まで送ってくれるかの?」
ダンブルドアはニッコリ笑った。
「もちろんです」
シリウスはそう言ってを立ち上がらせた。
たちが校長室を出ると、休みの日の朝なのに誰とも会わなかった。 シリウスとジェームズは懐かしい母校に帰ってきたことが嬉しいのか、少しはしゃいでいた。 三人が医務室に行くとまず、マダム・ポンフリーはベッドに案内し、にパジャマを渡した。
「さあ、これを着なさい」
そう言うと、マダムはジェームズとシリウスに目配せして三人そろってどこかに行ってしまった――今のうちに着ろということなのかな。 はそう思って、ベッドの横にあるカーテンを閉めて着替始めた。 が着替終って、ベッドの横に置いてある山のような贈り物を見ているとき、やっとジェームズとシリウスは帰ってきた。
「何してたの?」
はベッドの上に座って、彼らを見上げた。
「ハリーに会って来たんだよ。ずいぶんと疲れているみたいだったけど大丈夫だそうだ」
ジェームズは口ではそう言いながらも表情は暗い。
「でも、一度に二人の心配をしないですんでよかったさ」
シリウスはため息をついた。 はいやな予感がした。
「誰があんなことをして良いと言った?」
シリウスは疲れより怒りの方が強いらしかった。
「知らせを聞いてもリリーも顔が真っ青だ」
シリウスは淡々として言った。
「ごめんなさい」
はシリウスがこれ以上何かを言わないうちに口をはさんだ。
「頼むから・・・・・心配させないでくれ」
シリウスはそう言っての頭を撫でた。
「さあ、。君もそろそろ寝ないと」
ジェームズはシリウスばかりに良い思いはさせないとばかりに無理矢理に話を変えた。
「ほら、横になって」
ジェームズは毛布を持って、が横になるのを待った。 に毛布をかけてやるつもりらしい。 しかし、なかなか世の中甘くない。
「自分で出来るよ、ジェームズ」
は恥ずかしがってジェームズと毛布の取り合いを始めた。
「そんな恥ずかしがることじゃないだろう?昔はよくやってあげただろう?」
とうとうは折れた。 ジェームズはご機嫌良く、に毛布をかけてやった。
「今回だけだからね」
の顔は恥ずかしさで赤くなっていた。
「さあ、どうかな?」
しかし、ジェームズは真面目に取り合う気などさらさらなかった。
「ジェームズ、で遊ぶなよな・・・・・早く寝かせなきゃならないんだから」
シリウスはため息をつきながらジェームズを見た。
「そうだったね。それじゃあ、、また――」
「行かないでよ」
ジェームズの明るい声にのか細い声が割り込んだ。
「行かないで。一人にしないで」
は恥ずかしさを隠すためか、毛布を頭まで深々とひっぱっていた。
・・・・・」
シリウスは毛布を握っているの片手の上に自分の手を重ねた。
「大丈夫」
シリウスが優しく言った。 するとジェームズはゆっくりとの顔まで隠していた毛布を肩まで下げ、の顔を見て言った。
「寝るまで一緒にいてあげる。だから、ゆっくりおやすみ」
ジェームズはにっこり笑うとの顔に自分の顔を近づけた。 その独特の音がには大きく聞こえた。
「ちっちゃい時からずっとおでこにしてたもんね。良く眠れるようにのおまじないだよ」
ジェームズの顔からも娘を思う優しい表情がうかがえた。
「目を閉じなさい」
シリウスの声は優しい音色を奏でた。
「怖くないよ・・・・・大丈夫」
ジェームズに頬を撫でられながらのまぶたは自然と瞳を覆っていった。
「おやすみ、・・・・・」
が覚えているのはそこまでだった。
次に目を開けた時にはジェームズもシリウスもいなかったが、たった一枚のメモが残されていた。

おはよう、
疲れが取れたことを祈るよ。 本題だけど、ハリーが目覚めたら手紙を送ってほしい。 以上かな。
あ、そうだ。帰ってきたら、ハリーには説教が待ってるって言っておいてね。 それじゃあ・・・・・。

急いでいたのか送り主の名前はなかったが、明らかにこれはジェームズからの手紙だともわかった。
その二日後、ロンとハーマイオニーと一緒にいるとハリーが目覚めたという連絡が入った。 三人は大慌てでハリーに会いに行った。 少しやつれたようだった。 学年度末パーティは本当に素晴らしかった。 また、発表された今年の寮杯はグリフィンドールになった。 150点という痛手を負ったグリフィンドールだったが、ハリー、ロン、、ハーマイオニーが今回の出来事分、加算したのでスリザリンと並んだのだ。 そして、ネビルの得点も。 ネビルがグリフィンドールに貢献したのは今回が初めてだった。 また、試験の結果も発表された。 は魔法史の成績がギリギリだったが、他はすべてよかった。
そしてあっという間に洋服ダンスは空になり、旅行鞄が一杯になり、「休暇中魔法を使わないように」という注意書きが配られた。 夕方、生徒たちは全員ホームに到着した。
「夏休みに三人とも家に遊びに来てよ。ふくろう便を送るよ」
ロンが言った。 四人は一緒に改札口を出た。
「ロン、こっちよ」
ロンの母親らしき人が女の子を連れて立っていた。
「あ、僕のママと妹のジニーさ。ハリーととハーマイオニー」
ロンは三人の紹介を軽く終らせた。 するとジニーが金切り声を上げた。
「ハリー・ポッターよ!」
「ジニー、失礼ですよ。忙しい一年だった?」
ウィーズリーおばさんはとてもいい人だった。
「じゃあね、ロン、ハーマイオニー!」
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シリウスとジェームズに愛されちゃってます。笑