School visitation 授業参観
ガヤガやと掲示板の前が賑わっていた。
はハリーやロン、ハーマイオニーと共に一枚の紙に釘付けになった。
「保護者が学校に来るの?」
はハーマイオニーに確かめた。
掲示物には今週の日曜日に保護者向けに学校解放を行う、というものだった。
「そうね・・・・・多分。学校を保護者だけに解放するってことはそうでしょうね」
ハーマイオニーは続けた。
「でも私のところは来ないと思うわ。マグルだし、仕事が忙しいもの」
ハーマイオニーはそう言いながらハリーとロンとを振り返った。
「あなたたちのところは来るでしょうね」
「来たって絶対に口を利いてやるもんですか」
がそう断言するとなりでハリーは苦笑していた。

学校解放の日曜日。
生徒は朝から落ち着きがなく、先生方もどこかそわそわしていた。
朝食時、生徒は保護者と合流するために、大広間に残された。
、本当にシリウスと口を利かないの?」
ハリーが苦笑してを見た。
「まさか。冗談よ!――来た。リーマスも一緒よ!」
ハリーはの視線の先を追い掛けた。
そこにはニコニコと笑う両親との両親、そしてルーピンがいた。
!会いたかっ――」
ジェームズが駆け出してに抱きつこうとするのをリリーがしっかり止め、ハリーももクスクス笑った。
気付くと周りは保護者で溢れかえっていた。
「ママ」
は嬉しそうにに抱きついた。
そのとなりでジェームズが羨ましそうにを見ていた。
「あらあら」
は口では呆れながらもしっかりとを抱きかえした。
「このあとってどんな予定になってるの?」
ハリーが聞いた。
「私は少し用事があるからお昼ごろまた合流するわ」
は少し控え目に言った。
「そんな顔しないで、。シリウスもリーマスもリリーもいるわ」
は自分のとなりでに抱きつこうとするジェームズを丸ごと無視して言った。
「私たちはお前たちの行きたいところに行くだけさ」
シリウスはガッチリとジェームズを抑えた。
「あんまりに抱きつこうとするとここで半殺しにされるぞ」
シリウスがチラリと振り返った先にはドス黒いリーマスが笑っていた。
「あーあ。つまらない」
ジェームズがわざとらしく溜め息をついた。
すると、シリウスがニヤリと笑って言った。
「つまらないときは親愛なるスニベリーに挨拶するのが一番さ」
「駄目よ」
リリーがシリウスをにらみつけた。
「彼は今、教師なのよ?生徒から尊敬される立場だし――」
「尊敬なんかしてないわよ」
はボソリと呟いた。
「威厳とか――」
「あれは恐喝って言うのよ、リリー」
「信頼とか――」
「スネイプのことを信頼する人は馬鹿に決まってるわ」
「それに、私たちは子供を教育してもらっている立場なのよ?」
「それなら、スネイプの授業を辞めてもいい」
はリリーの一言一言にいちいち反応し、リリーのイライラを高めていった。
!」
リリーがイライラした声でを咎めると、は悪戯っ子のように笑った。
ジェームズとシリウスは大爆笑していた。
リーマスは苦笑していたし、ハリーは父親と母親のどちらの味方につけば良いのか迷っていた。
そんな中、すでには出て行っていた。

「まったくもう!誰に似たのかしらね!」
リリーの機嫌はなかなか直らなかった。
しかし、それでもたちは中庭やクィディッチ競技場を周り、他の家族に挨拶をしていた。
そんな中、シリウスとジェームズがエイモス・ディゴリー氏を見つけた。
「やぁ、エイモス」
ジェームズが肩を叩いた。
「ジェームズじゃないか!どうだ、最近。そうだ、息子を紹介するよ――妻は知っているだろう?――セドリックさ」
父親のわきからニコニコと笑いかけるセドリックが現れた。
「セドリックです」
「よろしく、セドリック」
シリウスは頭を下げるセドリックと握手した。
「娘のだ」
「こんにちは」
シリウスに背中を押され、はぎこちなく頭を下げた。
「こっちはハリー。ジェームズの息子だ」
こんにちは、と頭を下げるハリーにセドリックはニコニコと笑いかけた。
「二人とも有名ですから知っていますよ」
「そういうあなただって女の子の間で有名よ」
がクスクス笑った。
ハリーは面白くなさそうだ。
「これからそっちはどこへ?」
ディゴリー氏が聞いた。
「さぁ?主な所は回ったし、この二人の行きたいところにでも行こうかな、とは思っていたが」
「早いな。こっちはまだほとんど回っておらんよ。それじゃあまた後でな」
ディゴリー氏は軽く会釈をすると中庭の方に歩き出した。
「じゃあ、また今度」
「またね」
「それじゃあ」
もハリーも手を振るセドリックに手を振り返した。

、ディゴリー氏の息子さんの事、好きなの?」
ディゴリー家の姿が見えなくなると、リリーが興味津々に聞いてきた。
ジェームズはハリーが不満気に母親をチラリとにらみつけたのに気付いた。
「別に。かっこいいとは思うけど好きじゃないよ。友達としてならもちろん好きだけどね」
はクールにそう言った
「彼、一体何者なんだい?」
今度はジェームズが聞いた。
「ハッフルパフ寮のクィディッチ・チームのキャプテンで、シーカーなんだ」
「へぇ」
ジェームズはハリーの解答にニヤリと笑った。
すると、がトゲトゲしく言った。
「一人でニヤニヤして気持ち悪いよ、ジェームズ」
「あら、。シリウスもときにはジェームズと同じようになるのよ?マトモなのはリーマスしかいないんだから」
の後ろでそう声がしたと思うと、ニコニコ笑ったが立っていた。
「ママ、おかえり」
は嬉しそうだ。
、用事は無事に済んだのかい?」
リーマスが聞いた。
「えぇ、もちろん。そういえば、セブルスに会ったわ。ハリーが魔法薬学が全然出来てないって言われたんだけど本当かしらね、ハリー?」
の笑顔にリリーの黒さが混じったと思ったのはだけではなかった。
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ホグワーツに保護者が来るとなると、授業は参観できないかと思います。笑
<update:2006.05.13>